4時に隣のベッドの夫婦の会話で起きてしまう。朝から普通の声量で会話するなよ・・・
後から嫁に聞くと、どうやらその時間に誰かのアラームが大音量でなっていたらしい。
そっちで起きずに会話の声で起きる自分・・・
気を取り直して2度寝し、5:53に起床。
いつも通り準備を進め、6:50に出発。
今日は昨日ブログにも書いた日本人男性2人組と出発直後に出会ったので、
彼らをペースメーカーに歩いてみることに。
そんなにペースは速くない気がしたが、それでもどんどん前に歩いている人を抜いていく。
さすが四国お遍路のプロだ・・・
そして今日は今まで会ったことがなかった日本人夫婦の方ともすれ違った。
いつも通りすれ違う時に”Hello”と声をかけたところ、こんにちはとの返答。
どうやら僕らの会話を聞いて日本人だとわかったらしい。
とても優しそうなお二人だったので、またどこかで出会えれば是非もっと話してみたい。
なかなか歩いている途中だとペースが同じじゃない限り会話を続けるのが難しいからね。
8kmぐらいのところで街に着く。
ここともう2km程先のところに街があるので、どっちかでパンをゲットしようと
思ったのだが、残念ながら店を発見することが出来ず。まだオープンしてなかったりね。
8時半ぐらいからパン屋はオープンすることが多いので、その時間過ぎに街に入ることが
あればものすごく期待するのだが、今日は発見することが出来なかった。
そしてその後の道のりにはもう目的地までは何もない。
ただ何もない道を、ひたすら歩き続けるのだ。
起伏があまりないと思っていたが、実際歩いてみると短いアップダウンの繰り返しだった。
登りはまぁ少し肺が疲れるぐらいなのでマシだが、下りが繰り返されると足の痛みでキツくなる。
だがなぜか今日も下り以外は足が絶好調で、足取りが軽い。
歩くことに慣れてきたのか、それともたまたまなのか。
天然のアルベルゲ
そんな調子で休憩も短め(休憩する場所があまりなかったし)に歩いたところ、
なんとこの日の目的地に11時前には着いてしまう。
距離ももともと20km行かないぐらいと短かったのだが、
それでも4時間で着いてしまうとは思わなかった。
カミーノ当初よりやはりペースが上がっているようだ。
ここまで早くついてしまうと、次の街まで行くかどうかが非常に悩ましくなる。
次の街まで5kmぐらいだったら間違いなく進んでいる。
だがここから次の街までは約10km。このまま歩き続けても14時前には着くが、
そうするとこの日は合計で30km近く歩くことになってしまい、更にこの先の行程を
考慮すると明日も30km近く歩くことになってしまう。
さすがに2日連続30km弱は精神的にキツイ。だけど周りの人たちは結構この街は
素通りしている感じだ。さて、どうするか・・・
結局、足にも時間にも余裕はあるものの、今日は予定通りこの街で止めておくことに。
7日目だし、キリスト教的に言えば本来7日目は安息日だからね(今日は日曜じゃないが)。
スーパーもちゃんとあるから自炊も出来るし、ここで止まってもいいだろう。
ということで12:00オープンで11:55に行ってもほとんど誰もいなかった
アルベルゲにベッドを確保し、今日の行程は修了。
ドミトリーのベッドが大量に空いている状態にも関わらず2人とも2段ベッドの上という
悪質な嫌がらせをされたが、まぁしょうがない。所詮アルベルゲなんてこんなもんだ。
カミーノは自分のペースで歩くことが大事。
なぜなら歩いているのは自分であり、自分の状態を知っているのも自分だから。
こんなにも簡単でシンプルなことなのだが、これを自分の中で確固たるものとして
持ち続けるのは、実はなかなか難しい。
この7日間、自分のペースで、自分のペースで、と思うように、歩くようにしてきたものの、
やはりまだ他の人のペースが気になってしまう。
例えば今日の先に進むか進まないかの判断も、結局は止まるという判断をしたものの、
多くの人が先に進むのを見てやっぱ進んだ方が良かったのかなとは心の中で思ってしまう。
同じ日にカミーノを始めた人の多くは、恐らく次の街まで進んでいるからね。恐らくだけど。
歩いているときも、例えば今日みたいに他の人をペースメーカーにして歩くことなく、
完璧に自分のペースで進めばいいと思うんだけど、どうしても他の人のペースも
気にはなってしまう。だからと言ってペースを上げることはしていないし、
無理に歩いていることも全くないんだけど、気になってる時点でまだまだだなって。
これってこのカミーノのことに限った話じゃなくて、他のことにも当てはまるな。
例えば人にどう見られてるとか、どう思われてるかが気になってしまうこととか。
自分は自分だし、自分の思うように、自分らしくやればいいはずなんだ。本来は。
だけどそれが実は難しくて、自分のやりたいようにやってるつもりでも、どこかで
他人を気にしてしまったりしていて。
これじゃダメだと思いつつも、まだまだな自分。
巡礼が終わるころには、少しは変わっていたい。
追伸
この記事をアップした後に外を歩いていたら、とても素敵な出会いがあった。
教会に行こうとしていたところ、バルの外の席で飲んでた人からフリーワインだから一緒にどうだ?と声をかけられる。
せっかくなので席についてみたところ、トルコ人の男性とアメリカ人の女性が2人で、このトルコ人のおごりで飲んでるのだとか。
彼がかなりのツワモノだった。
なんとトルコのイスタンブールから歩いて旅しているらしく、もう既にサンティアゴデコンポステーラには辿り着いており、今は逆のルートを辿っているとのこと。
彼のクレシデンシャルは何枚もホチキスか何かで止めてあり、スタンプは数え切れないほど。
13ヶ国語も話せるらしく、目標は20ヶ国語話せるようになることらしい。恐るべし。
そんな彼がしきりに言ってた言葉が、I can do it.
なんでnoなんだ?出来ないはずがないだろ?
この先彼は歩いて世界一周するのだとも言っていた。
そう、不可能なことなど何も無いのだ。
アメリカ人の女性2人も良い人(彼に一緒に飲もうと誘われたらしい)だったし、その後加わったフランス人のカップルも良い人たちだった。
わずか1時間弱の時間だったけど、とても楽しい時間が過ごせたよ。
こういう出会いがあるからこそ、旅は楽しいのだ。
進むか止まるか迷ったけど、止まって本当に良かったと思わせる出会いだった。
I can do it. Nothing’s impossible.
~本日の行程~
日時:2015年9月8日
区間:Los Acros – Viana
距離:約19.5km
時間:約4時間 (6:50 – 11:00)
天候:晴れ
気温:15~25度ぐらい
アルベルゲ:Andrés Muñoz (8ユーロ)