6:12起床。眠いがラスト1日だし、早く出発しないと雨に降られそうなので
頑張って起きる。7:23出発。
夜雨が降った後があるものの、今は降っていない。良かった良かった。
このまま降らなけりゃいいんだけど。
今日の目的地ムシアへは、フィステーラの街への入り口にあった
石の十字架があった場所から始まる。
そこから石碑と黄色い矢印がちゃんと案内してくれるため、道には迷わなそうだ。
どの場所にもムシアとフィステーラの両方に矢印が向いているのが面白い。
1時間半程歩いたところで少し休憩を取る。
なるべく雨に降られる前に距離を稼いでおきたいと思う一方で、
雨に降られたら休めなくなるからその前に休んでおきたいとも思う。難しいところだ。
結局休憩後30分ほどで雨。とは言え今までのような大降りではなく小雨だったのでまだマシ。
一応バックパックカバーをしたり、バッグの中のパソコンを袋に入れたりしたが、
カッパを着るほどの雨ではなく傘で十分対応できるほど。そんなもんで本当に良かった。
途中に何もない道が続き、休む間もなく歩き続けなくてはならなかったのは
少し大変だったが、これで終わりだからと思うと足がどんどん進む。
嫁は早く終われと言いたそうな顔をしながら歩いていたが。
早く終わってほしいと思う一方で、これが最後かと思うと少し寂しい気もする。
だがきっとこの終わりは何かの始まりなのだ。
The end of something means the start of something new.
“何か”が何なのかはわかんないけど、この言葉が好きだ。
そしてスペイン巡礼には、まさにこの言葉がぴったりと当てはまる気がする。
どことなくスッキリしたし、この先もし道に迷うようなことがあれば
(もちろんそうでなくても)またこの道を歩きたい。
雨の日にはありがたい屋根付き休憩所(今までこんなとこ滅多になかったけど)
ようやく着いた村の道端で一休み。
通りがかったおじちゃんに目的地であるムシアまであと3kmだと教えられる。
あぁ、遂にここまで来たのだ。あと3kmで終わってしまうのだ。
長かった山道を終え、ようやく海辺の道へ入る。と同時に、一時的に晴れ間が広がり
海と空の美しい青に出迎えられる。
まるでこの巡礼の終わりを祝福してくれているかのようだ。
今までお世話になってきた黄色い矢印、そしてホタテの石碑ともこれでお別れだ。
これから先は何かに導かれるのではなく、自分で道を見つけて進めということだろう。
海辺でサッカーなんて素敵だ、が、ボールがいくつあっても足らなそうだな・・・
14:17、最後のアルベルゲへ到着。
ここムシアでもムシアまで来たという証明書がもらえる。
これで全部で3枚(正確には4枚)の証明書をゲットだ。
シャワーを浴び、洗濯を済ませたら途端に眠くなってしまったので、少し昼寝。
ここ3日間、今までで一番長い距離を歩き続けてきた疲れがどっとやってきたのかな。
しばしの休息後、巡礼最後の場所へ歩いていく。
ムシアの街の一番端に、海辺にそびえたつ教会があるのだ。
ここがこの巡礼の、僕らにとっては最終地となる。
(人によってはサンティアゴまでしか行かない人や、フィステーラを最終地にする人もいる)
高く押し寄せる波を見ながら、遠くに存在するであろうアメリカを思う。
(アメリカ人じゃないけど)
大航海時代、この海の向こうにはインドがあると考えられ、
そうして航海した末にアメリカ大陸が発見されたんだよな。
アメリカの先祖がインディアンと呼ばれるのはそこがインドだと思われたから
という話を聞いたことがある。
なんて小話はどうでもいいんだけど(本当にそんなことを考えてたけど)。
とにかく、ここが巡礼の終わりなのだ。
39日間(内1日休息日)歩き続けた先に待っていた海を見て、一体自分は何を思ったか。
正直な話、もっと色んな想いを巡らせるのかなと想像していたんだけど、
全くそんなことはなく。
ただただ、何かをやり切った充実感と、何かが終わってしまったという切ない想いで
いっぱいで、特に何かを見つけたとか、何かを考えたとかそんなことはなかったかな。
もちろん巡礼中に考えたことはいっぱいあったし、たぶん気付けたことも色々とあったし、
この日々の中で多々思うことはあった。
でも終わりに思う事なんて、あぁ終わってしまったな、なんて、そんなことぐらい。
それともう一つ、シンプルに、嫁と一緒に歩き切ることが出来て良かったってことかな。
本当に本当に、この巡礼を2人で歩くことが出来て良かったと自分は思う。
実はそろそろ旅に出て半年。半年間24時間一緒に居続ける新婚なんてそうはいないだろうし、
新婚で900km弱歩いて旅しようなんて夫婦もなかなかいないと思う。
ただ歩き続けるという意味では単調な毎日だけど、愛する人と歩き続ける
毎日なら楽しいよね。
もちろんたまにはケンカもしたりするけど、毎日歩きながら色んな話をして、
夜は一緒にスーパー行って一緒に料理して、また次の日朝早くから歩き始める日々の
なんて充実していて幸せなことか。
一緒にこの巡礼を歩いてくれた嫁に、ただただ感謝しているよ。本当にありがとう。
とりあえず旅の大きな目的であったイベントは、これにて終了!
そしてまだまだ、旅は続いていくよ。日本に帰りたくもなったけど、まだ早い!
もっともっといろんなものを嫁と一緒に見て、最高の経験をしてくるのだ。
あー楽しかった!
~本日の行程~
日時:2015年10月10日
区間:Fisterra – Muxia
距離:約28km
時間:約7時間 (7:23 – 14:17)
天候:小雨 & 曇り(&一時的に晴れ)
気温:15~18度ぐらい
アルベルゲ:Xunta de Galicia (6ユーロ)